松田博史社会保険労務士事務所

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令和5年度の労働保険年度更新の申告書の作成について

昨年度は、雇用保険料率が前期と後期で異なったため、今年度の確定保険料を算出する場合、労災保険・雇用保険とも、前期と後期に分けて賃金を集計する必要があります。

1. 年間の賃金総額を算出する。
 ①前期( 4月~9月の給与、及びこの期間の賞与)
 ②後期(10月~3月の給与、及びこの期間の賞与)

 ①②それぞれの合計額の千円未満を切り捨てた金額を足した結果が、確定保険料の
 算定基礎額
(申告書㉜欄合計イ+ロ、ヘ+ト)になります。


2. 確定保険料額を算出する。
 1.で算出した算定基礎額(申告書㉜欄イ、ロ、ヘ、ト)に、それぞれの保険料率を
 掛けた結果が確定保険料額(申告書㉜欄ニ、ホ、ヌ、ル)になります。
 この計算結果の円未満の端数については、切り捨てを行わず、そのまま使用します。

 そして、切り捨てしていない前期と後期の数字を足してから(申告書㉜欄合計ニ+
 ホ、ヌ+ル)、円未満の端数を切り捨てした数字が年間の確定保険料額(申告書
 ➉欄ロ、ホ)になります。


● その他
 一般拠出金の算定基礎額(申告書⑧欄ヘ)は、前期と後期の賃金を足した数字の円
 未満の端数を切り捨てした金額になります。

 足してから切り捨てするため、確定保険料の算定基礎額(申告書⑧欄ロ)とは、千円
 違ってくる
ことがありますが、これは問題ありませんので、千円違う数字で一般
 拠出金の計算
をしてください。

 概算保険料の算出方法と期別納付額の計算は、従来どおりです。


     例年とは算出方法が異なりますので、注意して作成ください。

 
2023年05月30日 13:53

賞与支給月に退職する場合の社会保険料控除と賞与支払届

賞与支給月の末日以外に退職した場合
 ・社会保険料の控除は不要

 ・ただし、退職日が賞与支給日より後の場合、賞与支払届に支給額を記載し届出
  する必要あり
(社会保険料控除は不要)
  ※退職日までに支給された賞与は、累計標準賞与額(上限573万円)の対象に
   なるため

 ・退職日が賞与支給日より前の場合、賞与支払届の届出不要


与支給月の月末に退職した場合
 ・社会保険料の控除は必要、賞与支払届の届出も必要


例えば、賞与支給日が7月15日のケースの場合

退職日 7月10日  社会保険料控除不要  賞与支払届不要
退職日 7月20日  社会保険料控除不要  賞与支払届必要
退職日 7月31日  社会保険料控除必要  賞与支払届必要


控除し忘れてしまった、控除不要なのに控除してしまった、賞与支払届に記載し忘れてしまったなど、間違えないよう注意してください。
 

2023年04月26日 13:35

雇用契約の締結により発生する権利と義務は

雇用契約(労働契約)とは、「労働者が使用者に使用されて労働を提供し、使用者が労働者に賃金を支払う。」 ことを不可欠とする契約です。
つまり、労働者には労働義務、使用者には賃金支払義務が法的義務として発生します。

雇用契約を締結すると、使用者および労働者には、前記以外にも様々な権利義務が発生します。

使用者・労働者共通

信義誠実の原則
 相手方の信頼を損なうような行動をしてはならない。

権利濫用の戒め
 権利の行使にあたっては、それを濫用してはならない。


労働者の義務

誠実労働義務(職務専念義務)
 労働者は、雇用契約の合意内容の枠内で、使用者の指揮命令に従って誠実に労働しな
 ければならない。職務に専念しなければならない。

職場(企業)秩序遵守義務
 労働者は、職場(会社)の秩序を乱さないよう行動しなければならない。

守秘義務・競業避止義務
 労働者は、業務上知り得た使用者の営業秘密や企業秘密などをその承諾なく使用・
 開示してはならない。
 使用者の事業と競合する事業を行ってはならない。


使用者の権利義務

業務命令権
 使用者が雇用契約の締結によって取得した労働者の労働力を利用・処分する権限

人事権
 労働者の配置、異動、昇進、人事考課など労働者の地位や処遇に関する決定権限

職場(企業)秩序定立権
 組織的労働の円滑な遂行のために、組織としての規律・秩序を設定し、それを維持
 
する権限

安全配慮義務
 労働者が使用者の指揮命令の下に労働を提供する過程において、労働者の生命および
 身体を危険から守るよう配慮
すべき義務

職場環境配慮義務
 労働者が職場で快適に働けるよう、職場環境を整備・保持しなければならない義務(セクハラ・パワハラなどが起こらないように)


以上の権利義務は、就業規則や雇用契約書に記載がなくても、雇用契約の締結によって付随して発生する権利義務です。就業規則等に書かれてないからといって義務を免れるものではありません。

就業規則の服務規定は、労働者の義務である誠実労働義務、職場秩序遵守義務、守秘義務・競業避止義務を具体的に記載したものと言えます。服務規定はとても大事な規定なのですが、あまり関心がないように見受けられるケースがあります。就業規則の内容は法的義務になりますので、しっかり関心を持って規定を作っていってください。

従業員数9名以下だと就業規則の作成義務はありませんが、服務に関するルールを定めた「職場のルール」を作成し、従業員の義務を明確にし明示することは秩序ある職場の維持に効果的な手段であります。最近は、自分の権利ばかり主張し、義務をきちんと果たさない労働者も増えてきています。※ネット等で権利についてすぐ調べられる時代のため

 
2023年03月31日 10:30

休日出勤や残業と所定労働時間の労働は相殺できません。(給与計算に注意)

所定労働時間が1日8時間、休日が土曜・日曜の会社で、土曜日に休日出勤し8時間労働した従業員に、翌週の月曜日に代休を与えた場合、給与計算の処理はどのように行うべきなのでしょうか。

土曜日に労働させた分、月曜日に休みを与えたので、都合トータルの労働時間は変わらないため、休日出勤に関する手当は全く不要なのでしょうか。

このケースの場合、休日出勤した週は月曜から金曜までに、すでに8時間×5日=40時間労働していて、土曜日の労働は週40時間を超えた労働になるため、割増賃金の支払いが必要になります。法律上、1日については8時間、週については40時間を超えた労働について割増賃金の支払いが必要なためです。

土曜日の休日出勤分・・・1時間あたり賃金×1.25×8時間 の支払い
月曜日の休み分・・・・・1時間あたり賃金×8時間     の控除

この2つの計算式を相殺すると結局、1時間あたり賃金×0.25×8時間分の手当の支払いが必要なことになります。

0.25分の支払いをしていない場合は、労働基準法違反になるため注意してください。

ただし、休日出勤した週に休日を与えた場合は、その週の労働時間は40時間になるため、手当の支払いは不要になります。


また、残業が長時間になったため、その時間分翌日の始業時刻を遅らせた場合(終業時刻はそのまま)も上記同様になります。

例えば、4時間分の残業代は、1時間あたり賃金×1.25×4時間になりますが、翌日4時間労働を免除した分は、1時間あたり賃金×4時間の控除になるため、0.25×4時間分の残業代の支払いが必要になります。支払いをしていない場合は、労働基準法違反になりますので注意してください。

 
2023年03月20日 11:45

令和5年度の雇用保険料率(4月1日から変更になります。)

令和5年4月1日から、下記のとおり雇用保険料率が変更になります。
そのため、4月1日を含む給与計算期間から雇用保険料率を変更して給与計算を行うことになります。

例えば、

10日締めの場合 → 4月10日締め分から変更
15日締めの場合 → 4月15日締め分から変更
月末締めの場合       →   4月30日締め分から変更

 
  労働者負担 事業主負担 雇用保険料率
一般の事業 6/1000 9.5/1000 15.5/1000
建設業 7/1000 11.5/1000 18.5/1000


5年3月分(4月納付分)から、健康保険料率および介護保険料率も変更になりますので、注意してください。

ちなみに、当事務所がある愛知県の
 健康保険料率は、10.01%
 介護保険料率は、 1.82%   に変更になります。

 
2023年03月02日 14:00

産休と一般的な育児休業(期間、出産手当金、育児休業給付金、保険料免除)

産休は、出産日前と出産日後に分かれています。

 産前休業・・・出産予定日の42日(6週間)前から出産日まで
 産後休業・・・出産日の翌日から56日(8週間)後まで

実際の出産日が予定日と前後した場合は、産前産後休業の期間も前後します。
予定日より遅れた場合、遅れた日数は産前休業になります。よって、産前休業の日数は42日+遅れた日数になります。

予定日より早かった場合、産前休業の日数は、42日-早かった日数になります。
いずれの場合も、産後休業は、出産日の翌日から始まります。

会社は、産前休業については、請求をされた場合に与える必要があります。請求がなければ与えなくても違法ではありません。

産後休業は、請求の有無にかかわらず、与える必要があります。
ただし、6週間を経過し、本人が希望した場合に、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えありません。

出産手当金
産前産後休業中は、社会保険に加入している場合、社会保険(協会けんぽ)から出産手当金が支給されます。
金額は、支給開始以前12ヶ月の各月の標準報酬月額の平均額÷30日×3分の2×産前産後休業日数


育児休業
産後休業終了日の翌日から子の1歳の誕生日の前日までの申請した期間
(保育園に入れない等の事情により1歳半、2歳まで延長可能

育児休業給付金
育児休業中は、雇用保険に加入している場合、雇用保険(ハローワーク)から育児休業給付金が支給されます。

金額は、最初の180日・・・休業開始時賃金日額×30日×67%
    181日以降・・・・休業開始時賃金日額×30日×50%

休業開始時賃金日額とは、産休前6ヶ月の給与の合計額を180日で割ったもの


産前産後休業中および育児休業中は、申請により社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は会社負担・本人負担とも免除されます。

期間は、産前産後休業を開始した月から育児休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間が対象です。産前産後休業期間中の免除申請と育児休業期間中の免除申請と2回申請する必要があります。

雇用保険料は、給与支給額×雇用保険料率で計算するため、給与がゼロならゼロ円になります。

 
2023年01月31日 11:45

入社前研修に賃金の支給は必要か

新卒採用者などに入社日前に研修を行うことがありますが、このような場合であっても、その時間が労働時間に該当する場合は、賃金の支払いが必要になります。

労働時間とは、使用者の指揮命令下にあって、労務提供のために拘束されている時間のことををいいます。
よって、入社前研修についても、使用者の支配下にあって、一定の場所に、一定の時間一定の労務提供目的のために拘束されている場合は労働時間に該当します。

より分かりやすく言うと、研修内容が業務に関連するもので、研修に参加することが業務命令として強制されていれば労働時間に該当しますし、自由参加で出席しないことについて何ら不利益がないのであれば労働時間には該当しません。

そして、労働時間に該当する場合は、賃金の支給が必要になりますが、その賃金は、最低賃金以上の金額であればいくらでも問題ありません。

支給金額としては、次のようなものが考えられます。

・入社後の給与を基準にした金額
・研修手当として全員一律の金額
・アルバイトとして時給計算

なお、研修時間が1日8時間を超える場合は、超えた時間について、通常の時間外勤務同様に割増賃金の支給が必要です。

初めから8時間を超えるカリキュラムを組むのであれば、その時間分も含めた賃金である旨を明示して支給することでも差し支えありません。


 
2023年01月12日 10:21

中小企業の月60時間超の時間外労働に対する割増率が50%に引き上げられます。※2023年4月1日から

大企業ではすでに適用されたいましたが、中小企業についての適用猶予期間がいよいよ終わます。

今までは、時間外労働について、月の時間数に関係なく25%の割増率で残業代を支払えばOKでしたが、2023年4月1日からは、月60時間を超えた部分については、
50%の割増率で残業代を支払わなければなりません。

ただし、50%での支払いに代えて代替休暇を付与することでも構いません。
労使協定の締結必要

この場合、60時間を超えた時間数について、25%分は60時間以内同様に残業代を支払い、新たに増える割増率の25%部分のみを休暇に代えることができます。

労使協定に定めるべき事項
・代替休暇の時間数の算定方法
・代替休暇の単位
・代替休暇を与えることができる期間
・代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日

〇代替休暇の時間数の算定方法

 代替休暇の時間数=(月の時間外労働時間数ー60時間)× 換算率(0.25)
      
      換算率=60時間超の割増率ー60時間以内の割増率(1.5-1.25)

 例:時間外労働が月80時間の場合
   (80ー60)× 0.25=5時間・・・代替休暇の時間数

〇代替休暇は、1日または半日単位で与える必要があります。

〇代替休暇は、60時間を超えた月の給与締日の翌日から2ヶ月以内に与える必要が
 あります。

〇取得日の決定方法としては、例えば、給与締日から1週間以内に本人に代替休暇を
 取得するかしないか意向を確認し、取得希望の場合は取得日を決める。

※取得するかどうかは労働者の意思に委ねられていて、取得を強制することはでき
 ない。

 

2023年3月31日までにすべき実務対応

①自社の時間外労働の状況を把握する。
②50%での支給or代替休暇、もしくは併用について検討する。
③就業規則を改定する。
④代替休暇制度を設ける場合は、労使協定を締結する。


松田博史社会保険労務士事務所では、法改正内容の説明、就業規則改定や労使協定作成のアドバイス・作成代行を承っています。
お気軽にお問い合わせください。料金は、2万円~

 
2022年12月22日 11:11

給与計算における社会保険料の控除(入社時・退職時は注意)

被保険者(従業員)が負担する社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は、被保険者資格を取得した日の属する月から喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月分まで発生し、事業主は、毎月の給与から前月分の保険料を控除します。
(健康保険法167条、厚生年金保険法84条)

つまり、例えば、10月に支給する給与から控除されている保険料は、9月分の保険料ということになります。

また、毎月の保険料は月単位で計算されるため、月の途中で被保険者資格の取得や喪失があった場合でも、保険料を日割計算することはありません。

つまり、例えば、9月1日に加入しても、9月25日に加入しても、保険料は同じ金額になります。退職時も同様ですが、退職日が月の途中の場合は、その月の保険料は発生しませんが、退職日が月末の場合は、その月分まで保険料が発生します。

具体例でみていきます。

【10日締め、25日支給の場合】

9月 1日加入 → 10月25日支給の給与から保険料控除開始
          (9月25日の給与は保険料控除なし
9月11日加入 → 10月25日支給の給与から保険料控除開始
9月21日喪失(9月20日退職)→  9月25日の給与での保険料控除が最後
                   (10月25日の給与は保険料控除なし
10月1日喪失(9月30日退職)→ 10月25日の最終給与まで保険料控除

【月末締、翌月15日支給の場合】

9月 1日加入 → 10月15日支給の給与から保険料控除開始
9月11日加入 → 10月15日支給の給与から保険料控除開始
9月21日喪失(9月20日退職)→  9月15日の給与での保険料控除が最後
                   (10月15日の給与は保険料控除なし
10月1日喪失(9月30日退職)→ 10月15日の最終給与まで保険料控除


賞与にかかる保険料は、支給の都度控除します。ただし、賞与支給月に退職する場合、月の途中での退職は、保険料を控除しなくてよいです。
退職日が月末の場合は、賞与から保険料を控除します。

 
2022年11月29日 15:25

健康保険(協会けんぽ)の被扶養者の範囲と年収要件

健康保険(協会けんぽ)の被扶養者になれる扶養家族の範囲

1.被保険者の配偶者、子、孫、父母、祖父母、曾祖父母、兄弟姉妹で、主として
  被保険者の収入によって生計を維持している人

2.被保険者のおじおば、おいめい、配偶者の父母など三親等内の親族で、被保険者と
  一緒に生活
していて、主として被保険者の収入により生計を維持している人

1.は生計維持要件だけですが、2.には生計維持要件プラス同居要件があります。
1.2.とも、日本国内に住所がある人という要件もあります。


〇生計維持の基準

・被扶養者(認定対象者)が同居している場合
 → 認定対象者の年収が130万円未満で、かつ被保険者の年収の半分未満であること

・被扶養者(認定対象者)が同居していない場合
 → 認定対象者の年収が130万円未満で、かつ被保険者からの仕送額より少ないこと

 ※60歳以上の場合は、130万円ではなく180万円未満

 年収には、給与の他、年金(老齢・障害・遺族すべて対象)、失業給付、
 傷病手当金等も含まれます。

 年収とは、過去の収入ではなく、扶養に該当する時点以降1年間の見込み収入
 
(未来に向かってのもの)になります。


○失業給付の計算

1日あたりの失業給付の額×365日 で計算した額が年収になります。

1日あたり3,612円以上の失業給付を受給していると、受給中は扶養家族にはなれません国民健康保険に加入することになります。
ただし、2ヶ月(3ヶ月)の給付制限期間中、および失業給付をすべて受給後、引き続き無職の場合は、その期間については扶養家族になることができます。


 
2022年11月18日 11:58