松田博史社会保険労務士事務所

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特別休暇制度(慶弔、記念日、リフレッシュ等)

特別休暇(特別な休暇制度)とは、法律で労働者に与えることが義務付けられた有給休暇とは別に会社の福利厚生の1つとして、会社が独自に導入した休暇制度を言います。
現在、およそ6割の企業が何らかの特別休暇を設けています。

特別休暇制度の目的は、

・従業員の健康の保持と増進
・仕事と生活の調和(ワークライフバランス)
・従業員のモチベーション向上

などが挙げられます。

また、特別休暇制度を導入した場合のメリットとしては、次のようなものがあります。

・福利厚生の充実により会社のイメージがアップし、優秀な人材の確保や従業員の定着率が良くなる。
・従業員の健康保持増進を行うことにより、会社の活力そのものが向上する。

特別休暇の種類
一番多く導入されているのは慶弔休暇ですが、その他には、次のようなものがあります。

・リフレッシュ休暇
  心身の疲労回復のために取得できる。勤続5年、10年といった節目の時期に数日間取得できる。

・バースデー休暇
  本人(もしくは家族)の誕生日に取得できる。

・記念日休暇
  本人が選択した記念日(結婚記念日、子供の誕生日等)に取得できる。

・学校行事休暇
  子供の学校行事(入学式、卒業式等)の際に取得できる。

・ボランティア休暇
  ボランティア活動を行う際に取得できる。

・自己啓発休暇
  自己啓発や能力アップを目的としたセミナー、研修を受講する際に取得できる。

・単身赴任者休暇
  単身赴任で家族と離れている者が帰省する際に取得できる。

・病気休暇
  病気の治療のために取得できる。


特別休暇制度を導入する際の注意点は、従業員のニーズと会社の文化に合った休暇制度を導入することです。「よその会社がやっているから」、「休すみが増えれば従業員が喜ぶと思ったから」など、明確な目的を定めずに導入してしまうと導入効果は、あまり期待できません。導入するのであれば、自社に合った制度を導入することをお勧めします。

導入することに決まりましたら、制度のルール作りが必要になります。特別休暇は設けるかどうかも会社の自由ですので、ルールも自由に定めることが可能です。

・どのような休暇を何日取れるのか
・取得する際の手続はどうするのか
・取得する時期はいつなのか
・休日と重なった場合はどうするのか

などを就業規則に定めます。

その後、できれば社長自らが特別休暇制度の目的を説明し、従業員に取得を勧めると、従業員が取得しやすくなります。職場の雰囲気、上司や同僚の理解、経営者のお勧め、が制度の定着には重要です。


 
2025年12月24日 13:58

令和7年の最低賃金の改定

2025年の最低賃金の改定により、愛知県の最低賃金は1,140円に引き上げられる予定です。
上げ幅は63円で過去最大です。10月18日から改定される見通しです。

東海地方のその他の県は、岐阜県は1,064円、三重県が1,087円に引き上げられる予定です。

厚生労働省の関連ページ
令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について|厚生労働省
 
2025年08月27日 14:22

休日出勤命令と有給休暇の申請

会社の所定休日に休日出勤を命じたところ、ある社員が有給休暇を申請してきました。この有給休暇の取得を認めなければならないのでしょうか?

会社が休日出勤を命じる前提として、就業規則等に休日出勤についての定めがあることが必要です。また、その休日出勤日が、労働基準法上の法定休日に該当するのであれば、労働基準法第36条に基づく、いわゆる三六協定の締結と所轄労働基準監督署への届出も必要です。

 法定休日の休日出勤命令・・・・・上記の二つを満たすことで、休日出勤命令は法的に有効
 法定休日以外の休日出勤命令・・・就業規則等への定めのみで法的に有効

 ※法定休日とは、一般的には、土日休みの週の日曜日、日曜休みの週の日曜日

それでは、その日に有給休暇の休暇を申請された場合、会社はどのような対応をすればいいのでしょうか?

 有給休暇・・・従業員が休暇の取得を請求することで、労働義務がある日(出勤日)の労働義務が
        免除
され、その日は労働しなくてかまわない日になる。そして、その日の給与は支給
        
される。

 休日・・・・・会社の所定休日として、もともと労働義務が免除されていて労働する義務がない日
        
をいう。

労働義務が免除される(されている)点では、どちらも同じですが、有給休暇は、労働義務がある日の労働を免除して、労働者の休養日を増やすことが目的のため、労働義務のない休日の日に有給休暇を取得することを、労働基準法は予定していません。そして、休日出勤命令により休日労働する日は、あくまで休日のままなので、休日に有給休暇を取得することは、法的に不可能なのです。あくまで休日であるため「休日出勤」と言い、その日の労働に対して割増賃金の支払いを労働基準法は義務付けています。

よって、休日出勤を命じた日に対する有給休暇の取得申請については、認める法的義務はありません。

ただし、時間外労働・休日労働に関する三六協定の締結と労働基準監督署への届出がされていない場合は、法定休日の日の休日出勤命令自体が法的に無効となるため、有給休暇の申請どうこうという問題ではなく、もともと休日のため休んでも問題なし、ということになります。


 
2025年04月09日 14:25

年間休日を増やした場合の割増賃金単価の変更時期は

会社の年間休日を年の途中で増やした場合、残業代などを計算するための割増賃金の単価はいつから変更すべきなのでしょうか。

時間外労働等に対する割増賃金の単価は、月によって定められた賃金÷1年間の月平均所定労働時間数 により求めます。

例えば、1日の所定労働時間が8時間、現在の年間休日が110日とすると、月平均所定労働時間は、

(365日-110日)×8時間÷12ヵ月=170時間

となります。そして、年間休日を10日増やして、120日にすると仮定すると、

(365日-120日)×8時間÷12ヵ月=163.3時間

となります。

そして、月給30万円の場合、これまでは、30万円÷170時間=1,764.70円 であった1時間あたりの単価が、30万円÷163.3時間=1,837.10円 に上がり、残業1時間あたりの金額は、
2,206円から2,297円に、91円上がることになります。

この91円上がった新しい単価での残業代計算は、いつから実施すべきなのでしょうか。
仮に、10月に休日を増やした場合、いつから新しい単価で残業代等を計算すればよいのでしょうか。
10月からなのでしょうか。それとも、1月まで遡って計算し直さなければならないのでしょうか。

会社の休日に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項のため、休日が変更になった場合は、休日についての就業規則の記載を変更し、従業員代表の意見書を添付して労働基準監督署へ届け出て、変更後の就業規則を従業員に周知する必要があります。

そのときに、変更後の就業規則の一番最後に記載する付則等に、

「本改正は、令和7年10月1日から適用する。」

と記載し、9月下旬までに従業員に周知すれば、休日の変更に関する就業規則の効力は、10月1日から発生することになりますので、割増賃金単価の変更も10月1日から実施すればOKです。1月まで遡って変更する必要は全くありません。ご安心ください。

 
2025年01月29日 13:30

36協定(時間外・休日労働に関する協定届)に関する注意事項

〇36協定(正式名称:時間外・休日労働に関する協定届)とは、1日の労働時間が8時間を超える場合、または週の労働時間が40時間を超える場合に、労働基準監督署に届け出ることによって、これらの時間を超えて労働させても労働基準法違反に問われることはなくなるための届出書類です。

つまり、1日8時間、週40時間を超えて労働することがある事業所は、必ず届出が必要ということになります。超えることは絶対にない事業所については、届出の必要はありません。

この36協定では、1日、1ヶ月、1年について、それぞれ延長することができる時間数(時間外労働時間)を記載します。

1日については、特に法的上限はありませんので、何時間と記載してもOKです。徹夜勤務を想定して15時間(24時間-所定労働時間8時間-休憩1時間)と記載することも可能です。
1ヶ月については、完全週休2日制の場合は、原則最大45時間が上限になります。
1年については、完全週休2日制の場合は、原則最大360時間が上限になります。


〇36協定には、法定労働時間(8時間)を超えて時間外労働させることができる時間数を記載します。よって、所定労働時間が8時間の事業所の場合は、法定労働時間イコール所定労働時間のため分かりやすいのですが、所定労働時間が8時間より短い事業所については、少し分かりにくいかもしれません。

例えば、所定労働時間が7.5時間の場合、

ある日に8時間労働した。 → 会社としては、残業0.5時間とカウント → 36協定上(労働基準法上)は、残業ゼロ
ある日に9時間労働した。 → 会社としては、残業1.5時間とカウント → 36協定上(労働基準法上)は、残業1時間

このように、会社でいう残業時間と36協定上の残業時間が異なります。
時々、この事を理解しておらず、残業時間が上限を超えてしまったと相談がありますが、所定労働時間が8時間より短い事業所の場合は、36協定上の時間に、所定労働時日数×8時間より短い時間数を足した時間数まで残業可能なので、安心してください。

例えば、1ヶ月45時間と36協定に記載、所定労度時間7.5時間、所定労働日数20日の場合、
36協定上の時間外労働上限45時間+(所定労働日数20日×(8時間-7.5時間)=55時間
までの残業時間が協定の範囲内となります。


〇45時間の時間外労働が1ヶ月あたりの上限だからといって、毎月45時間時間外労働させることはできませんので、注意してください。なぜなら、年間の時間外労働の上限は360時間だからです。
 45時間×12ヶ月=540時間>360時間
年間360時間以内に収めるには、月30時間平均でなければなりません。40時間の月があった場合、
20時間の月も必要になってきます。


〇36協定上(労働基準法上)の休日労働とは、会社として法定休日を決めていない場合は、例えば会社休日の土日の両方に休日出勤した場合のいずれかの日の労働時間になります。法定休日は日曜と決まっている場合は、日曜の労働時間が休日労働となります。(法定休日とは、労働基準法に基づき、会社が労働者に必ず与えなければならない休日です。少なくとも週に1日の休日を与えることが義務付けられています。法定休日以外の休日は、法定外休日といいます。)

この法定休日に、労働者に労働させる可能性がある場合は、36協定の休日労働に関する記載欄も記載する必要があります。


 
2025年01月10日 13:05

労務関係書類の保管期間

【主な書類の保管期間】


〇 健康保険・厚生年金保険に関する書類・・・・完結の日(退職・解雇)から2年

〇 雇用保険の被保険者に関する書類・・・・・・完結の日(退職・解雇)から4年

〇 雇用保険の被保険者以外に関する書類・・・・完結の日(退職・解雇)から2年

〇 労働者名簿・・・・・・・・・・・・・・・・退職・解雇の日から3年  ※5年になる予定
 
〇 賃金台帳・・・・・・・・・・・・・・・・・最後の記入の日から3年  ※5年になる予定

〇 雇入・退職・解雇に関する書類・・・・・・・退職・解雇の日から3年  ※5年になる予定

〇 賃金その他労働関係の重要書類・・・・・・・最後の記入の日から3年  ※5年になる予定
 (タイムカード、残業申請書など)

〇 労働保険の徴収・納付に関する書類・・・・・完結の日から3年

〇 労災保険に関する書類・・・・・・・・・・・完結の日から3年

〇 健康診断個人票・・・・・・・・・・・・・・作成日から5年

〇 安全委員会・衛生委員会議事録・・・・・・・作成日から3年

〇 源泉徴収簿・・・・・・・・・・・・・・・・法定申告期限から7年

〇 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、
  配偶者特別控除申告書、保険料控除申告書・・法定申告期限から7年

〇 雇用関係助成金の申請関係書類・・・・・・・支給決定日から5年

 
2024年11月27日 11:00

令和6年10月から最低賃金が改定されました。

令和6年10月から最低賃金が改定されました。
当事務所のある東海地方、および東京・大阪は次のとおり改定されました。

愛知県  1,027円 ⇒ 1,077円
岐阜県    950円 ⇒ 1,001円
三重県    973円 ⇒ 1,023円

東京都  1,113円 ⇒ 1,163円
大阪府  1,064円 ⇒ 1,114円

その他の地域については、こちらから
地域別最低賃金の全国一覧 |厚生労働省 (mhlw.go.jp)



最低賃金のチェック方法

〇時間給の場合
 時間給が最低賃金以上であること

〇日給の場合
 日給÷1日の所定労働時間 が最低賃金以上であること

〇月給の場合
 月給÷月平均所定労働時間 が最低賃金以上であること
  月平均所定労働時間=(365日-年間休日)÷12ヶ月×1日の所定労働時間


最低賃金の対象にならない賃金(上記の計算において除外される賃金)
・残業手当、休日出勤手当、深夜割増手当
・通勤手当、家族手当、精皆勤手当
・賞与
・臨時に支給される賃金(祝い金など)
 
2024年10月09日 13:14

休憩時間について

労働基準法では、労働時間が6時間を超え8時間以下の場合には、少なくとも45分、8時間を超える場合には、少なくとも60分の休憩時間を労働時間の途中に与えることを使用者に義務付けています。

休憩時間というと、一般的に12~13時のお昼の休憩をイメージしますが、1日の所定労働時間が7時間30分であれば、お昼の休憩は45分でも法律上は構いません。

ただし、所定労働時間が7時間30分で、休憩が45分の場合、定時で帰る日はそれで問題ありませんが、例えば残業を1時間する場合には、労働時間が8時間30分となり8時間を超えることになりますので、追加で15分の休憩を与える必要があります。

休憩時間は1回にまとめて与えてもいいですし、分割して与えても構いません。例えば、12~12時45分と15~15時15分の1日2回で、計60分などの与え方でもOKです。

休憩の一斉付与
休憩時間は、従業員に一斉(全員一緒に)に与えることを原則としています。ただし、運送・販売・金融・保険・飲食・接客業などの業種は、一斉に与えることが難しいため、交替で休憩を与えても構わないとなっています。また、上記業種以外でも労働者代表と労使協定を締結すれば、交替で休憩を与えることができます。
労使協定には、次の事項を定める必要があります。

・一斉に休憩を与えない労働者の範囲
・当該労働者に対する休憩の与え方

労使協定は、労働基準監督署への届出は不要です。

休憩時間の自由利用
休憩時間は、自由に利用させなければならないと定められています。休憩中に電話が鳴ったら出なければならない状態は、労働から完全に解放されているとはいえないため、待機時間として法的には労働時間になります。(休憩を与えたことになならない。)

どうしてもお昼休みに電話番が必要であれば、電話番を当番制にして、当番日は休憩をずらして(例えば13~14時)とるようにして対応することになります。そうでないと、休憩時間は労働時間であるとされ、退職時や退職後に賃金請求されるリスクが高まります。電話番の頻度や勤続年数によっては、高額請求になる可能性があります。

 
2024年04月26日 13:30

令和5年(2023年)の最低賃金の改定について

令和5年(2023年)の最低賃金の改定についての答申がなされました。
47都道府県で、39円~47円の引き上げが予定されています。

愛知県は、986円から41円アップの1,027円に引き上げられる予定になっています。
※10月1日から

詳細については、下記アドレス厚生労働省ホームページで確認できます。
令和5年度最低賃金額答申|厚生労働省 (mhlw.go.jp)


​​
2023年08月28日 14:30

雇用契約の締結により発生する権利と義務は

雇用契約(労働契約)とは、「労働者が使用者に使用されて労働を提供し、使用者が労働者に賃金を支払う。」 ことを不可欠とする契約です。
つまり、労働者には労働義務、使用者には賃金支払義務が法的義務として発生します。

雇用契約を締結すると、使用者および労働者には、前記以外にも様々な権利義務が発生します。

○使用者・労働者共通

①信義誠実の原則
 相手方の信頼を損なうような行動をしてはならない。

②権利濫用の戒め
 権利の行使にあたっては、それを濫用してはならない。


〇労働者の義務

①誠実労働義務(職務専念義務)
 労働者は、雇用契約の合意内容の枠内で、使用者の指揮命令に従って誠実に労働しな
 ければならない。職務に専念しなければならない。

②職場(企業)秩序遵守義務
 労働者は、職場(会社)の秩序を乱さないよう行動しなければならない。

③守秘義務・競業避止義務
 労働者は、業務上知り得た使用者の営業秘密や企業秘密などをその承諾なく使用・
 開示してはならない。
 使用者の事業と競合する事業を行ってはならない。


〇使用者の権利義務

①業務命令権
 使用者が雇用契約の締結によって取得した労働者の労働力を利用・処分する権限

②人事権
 労働者の配置、異動、昇進、人事考課など労働者の地位や処遇に関する決定権限

③職場(企業)秩序定立権
 組織的労働の円滑な遂行のために、組織としての規律・秩序を設定し、それを維持
 
する権限

④安全配慮義務
 労働者が使用者の指揮命令の下に労働を提供する過程において、労働者の生命および
 身体を危険から守るよう配慮
すべき義務

⑤職場環境配慮義務
 労働者が職場で快適に働けるよう、職場環境を整備・保持しなければならない義務(セクハラ・パワハラなどが起こらないように)


以上の権利義務は、就業規則や雇用契約書に記載がなくても、雇用契約の締結によって付随して発生する権利義務です。就業規則等に書かれてないからといって義務を免れるものではありません。

就業規則の服務規定は、労働者の義務である誠実労働義務、職場秩序遵守義務、守秘義務・競業避止義務を具体的に記載したものと言えます。服務規定はとても大事な規定なのですが、あまり関心がないように見受けられるケースがあります。就業規則の内容は法的義務になりますので、しっかり関心を持って規定を作っていってください。

従業員数9名以下だと就業規則の作成義務はありませんが、服務に関するルールを定めた「職場のルール」を作成し、従業員の義務を明確にし明示することは秩序ある職場の維持に効果的な手段であります。最近は、自分の権利ばかり主張し、義務をきちんと果たさない労働者も増えてきています。※ネット等で権利についてすぐ調べられる時代のため

 
2023年03月31日 10:30