松田博史社会保険労務士事務所

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高年齢雇用継続給付の縮小・廃止(令和7年4月1日から)

令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付給付額が縮小されます。

高年齢雇用継続給付とは、60歳到達時の賃金と比較して、60歳以降の賃金が下がった場合に、その一部を給付金として補填する制度です。

具体的には、60歳以降の賃金が60歳到達時の賃金と比較して、75%未満に低下している場合に、引き下げ後の賃金額の最大15%が給付金として支給されます。

令和7年4月1日以降は、
60歳以降の賃金が60歳到達時の賃金と比較して、75%未満に低下している場合に、引き下げ後の賃金額の最大10%が給付金として支給されるよう縮小されます。

64%未満に低下・・・・・賃金額×10%
64%以上75%未満・・・賃金額×(10%から一定の割合で逓減する率)
75%以上・・・・・・・・不支給

※今後は、さらに段階的に給付率を縮小し、最終的には、高年齢雇用継続給付は廃止されることが決まっています。

 
2024年01月17日 14:45

労働条件の明示事項が変更されます。※令和6年(2024年)4月1日から

令和6年(2024年)4月1日から労働条件の明示事項等変更されます。

すべての労働者(正社員、契約社員、パート・アルバイト、派遣労働者など雇用形態を問わず)に対して、

労働契約の締結および有期労働契約の契約更新のタイミングで、雇い入れ直後の
 就業場所・業務内容に加え、就業場所・業務内容の変更の範囲を明示することが
 必要になります。
 ※令和6年4月1日以降に契約締結・契約更新する労働者から対象となります。

 変更の範囲とは、今後の見込みを含め、在職中に勤務する可能性のある就業場所
 すべて、従事する可能性のある業務すべて、をいいます。

 〇変更の範囲の記載例

  ・本社および全ての支店・営業所
  ・〇〇県内、〇〇市内
  ・会社の定める場所(テレワークを行う場所含む)
  
  ・会社内のすべての業務
  ・〇〇業務
  ・会社の定める業務


有期労働契約の労働者に対して、有期労働契約の締結時および契約更新のタイミング
 ごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無
 その内容を明示することが必要になります。
 
 また、更新上限を新設・短縮する場合は、その理由をあらかじめ説明することが
 必要になります。

 〇更新上限の記載例
 ・契約期間は通算4年を上限とする。
 ・契約更新は3回までとする。


無期転換申込権が発生する有期労働契約の契約更新のタイミングごとに、無期転換を
 申し込むことができる旨
無期転換後の労働条件を明示することが必要になります。

 無期転換ルールとは、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期労働契約
 労働者からの申し込みにより、期間の定めのない労働契約に転換されるルールの
 ことをいいます。使用者(会社側)は無期転換の申し込みを断ることはできません
 ※平成25年4月1日施行

 例えば、
 契約期間1年の労働契約が5回目の更新された時に、無期転換の申込権が発生
 ます。そして、その6年目の契約期間中に労働者が無期転換の申し込みを行った
 場合、その次の契約更新日から期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に
 転換されます。

 無期転換後、有期労働契約者と同じ労働条件で契約期間だけが無期の無期労働
 契約社員
とするか、それとも正社員にするかなど、転換後の雇用形態をどのよ
 うにするかの検討が必要です。
 
2023年12月26日 14:28

令和5年度の雇用保険料率(4月1日から変更になります。)

令和5年4月1日から、下記のとおり雇用保険料率が変更になります。
そのため、4月1日を含む給与計算期間から雇用保険料率を変更して給与計算を行うことになります。

例えば、

10日締めの場合 → 4月10日締め分から変更
15日締めの場合 → 4月15日締め分から変更
月末締めの場合       →   4月30日締め分から変更

 
  労働者負担 事業主負担 雇用保険料率
一般の事業 6/1000 9.5/1000 15.5/1000
建設業 7/1000 11.5/1000 18.5/1000


5年3月分(4月納付分)から、健康保険料率および介護保険料率も変更になりますので、注意してください。

ちなみに、当事務所がある愛知県の
 健康保険料率は、10.01%
 介護保険料率は、 1.82%   に変更になります。

 
2023年03月02日 14:00

中小企業の月60時間超の時間外労働に対する割増率が50%に引き上げられます。※2023年4月1日から

大企業ではすでに適用されたいましたが、中小企業についての適用猶予期間がいよいよ終わます。

今までは、時間外労働について、月の時間数に関係なく25%の割増率で残業代を支払えばOKでしたが、2023年4月1日からは、月60時間を超えた部分については、
50%の割増率で残業代を支払わなければなりません。

ただし、50%での支払いに代えて代替休暇を付与することでも構いません。
労使協定の締結必要

この場合、60時間を超えた時間数について、25%分は60時間以内同様に残業代を支払い、新たに増える割増率の25%部分のみを休暇に代えることができます。

労使協定に定めるべき事項
・代替休暇の時間数の算定方法
・代替休暇の単位
・代替休暇を与えることができる期間
・代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日

〇代替休暇の時間数の算定方法

 代替休暇の時間数=(月の時間外労働時間数ー60時間)× 換算率(0.25)
      
      換算率=60時間超の割増率ー60時間以内の割増率(1.5-1.25)

 例:時間外労働が月80時間の場合
   (80ー60)× 0.25=5時間・・・代替休暇の時間数

〇代替休暇は、1日または半日単位で与える必要があります。

〇代替休暇は、60時間を超えた月の給与締日の翌日から2ヶ月以内に与える必要が
 あります。

〇取得日の決定方法としては、例えば、給与締日から1週間以内に本人に代替休暇を
 取得するかしないか意向を確認し、取得希望の場合は取得日を決める。

※取得するかどうかは労働者の意思に委ねられていて、取得を強制することはでき
 ない。

 

2023年3月31日までにすべき実務対応

①自社の時間外労働の状況を把握する。
②50%での支給or代替休暇、もしくは併用について検討する。
③就業規則を改定する。
④代替休暇制度を設ける場合は、労使協定を締結する。


松田博史社会保険労務士事務所では、法改正内容の説明、就業規則改定や労使協定作成のアドバイス・作成代行を承っています。
お気軽にお問い合わせください。料金は、2万円~

 
2022年12月22日 11:11

身元保証書について(2020年の法改正により金額の明記が必要に)

身元保証書とは、第三者に従業員の身元保証人として、従業員の行為により会社が受けた損害を賠償することを誓約してもらう書面です。

身元保証書の有効期間は、期間を定めなかった場合は、原則3年なり、期間を定める場合でも5年が上限で、それより長い期間を定めても短縮されます。また、有効期間の自動更新条項無効になります。

2020年4月の民法改正により、極度額(保証人が負担すべき額の上限)明記することが義務付けれれました。記載がない身元保証書は無効になります。
300万円などと具体的に記載する必要があります。

会社は、従業員に業務上不適任や不誠実な事案があり、そのため身元保証人の責任が発生するおそれがある時、従業員の任務または任地を変更し、そのため身元保証人の責任が重くなったり、監督が困難になった時は、身元保証人に通知する義務があります。通知を受けた身元保証人は、将来に向かって身元保証契約を解除することが可能になります。


 
2022年10月11日 16:25

令和4年10月1日からの育児休業法の改正点

出生時育児休業(産後パパ育休)制度の新設
・子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得可能
2回まで分割して取得可能 (2回分まとめて申出が必要)
・休業開始の2週間前までに取得の申出 (労使協定の締結等により1か月前までとできる)
・労使協定を締結している場合は、合意した範囲内で育休中の就業が可能 
 (ただし、日数・時間等の上限あり)

1歳までの育児休業
2回まで分割して取得可能 (取得の際にそれぞれ申出)
 ※夫婦で交代して育児休業を取得可能

1歳以降の育児休業
・休業開始日を柔軟化 
 ※夫婦で交代して育児休業を取得可能


詳しくは厚生労働省のホームページ参照
育児・介護休業法について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
2022年09月29日 10:13

2022年10月から社会保険の適用範囲が段階的に拡大

2022年10月から段階的にパート・アルバイトの方の社会保険加入が義務化されます。

現在・・・ 従業員数501人以上の企業に勤めているパート・アルバイト
2022年10月・・・ 従業員数101人以上    〃
2024年10月 ・・・従業員数 51人以上    〃

 従業員数=現在の厚生年金被保険者数(正社員数)+ 週労働時間および月労働日数が
        正社員の4分の3以上のため加入している被保険者数

新たに被保険者となる対象者(下記のすべて満たす者)
・週所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8万8千円以上 ※残業代、通勤手当等は含まない
・2ヶ月を超える雇用見込みがある
・学生ではない

社会保険に加入するメリット
・老齢年金、障害年金、遺族年金の受給額が増える
・業務外の病気やケガ等による療養中、傷病手当金が受給できる
・産休期間中に出産手当金が受給できる

企業が準備すべきこと
・加入対象者の把握
・加入対象者への連絡
・説明会や個人面談の実施  ※今後の労働時間等について話し合う
・適用拡大後の社会保険料負担増分の把握
・加入手続
2022年06月07日 15:37

令和4年4月の育児休業法改正

令和4年4月1日から育児休業法が改正されました。

1.育児休業を取得しやすい雇用環境の整備を義務化

 下記のいずれか1つ以上を講ずること
 ・育児休業等に関する研修の実施
 ・育児休業等に関する相談体制の整備
 ・自社の育児休業取得に関する事例の提供
 ・育児休業の制度および育児休業取得促進に関する会社方針の周知

2.個別周知・取得意向確認の義務化

 労働者本人または配偶者の妊娠について労働者本人から申出があったときは、育児休業
 に関する制度について知らせるとともに、育児休業の取得意向を確認するための
 面談等の実施が義務化

 「個別周知の内容」
 ・育児休業等に関する制度
 ・育児休業等取得の申出先
 ・雇用保険の育児休業給付金に関すること
 ・育児休業期間中の社会保険料の取り扱い
 
3.有期契約労働者の取得要件の緩和

 引き続き雇用された期間が1年以上 という要件が削除


詳しい改正内容はこちら



 
2022年05月02日 13:33