給与計算における社会保険料の控除(入社時・退職時は注意)
被保険者(従業員)が負担する社会保険料(健康保険・厚生年金保険)は、被保険者資格を取得した日の属する月から喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月分まで発生し、事業主は、毎月の給与から前月分の保険料を控除します。(健康保険法167条、厚生年金保険法84条)
つまり、例えば、10月に支給する給与から控除されている保険料は、9月分の保険料ということになります。
また、毎月の保険料は月単位で計算されるため、月の途中で被保険者資格の取得や喪失があった場合でも、保険料を日割計算することはありません。
つまり、例えば、9月1日に加入しても、9月25日に加入しても、保険料は同じ金額になります。退職時も同様ですが、退職日が月の途中の場合は、その月の保険料は発生しませんが、退職日が月末の場合は、その月分まで保険料が発生します。
具体例でみていきます。
【10日締め、25日支給の場合】
9月 1日加入 → 10月25日支給の給与から保険料控除開始
(9月25日の給与は保険料控除なし)
9月11日加入 → 10月25日支給の給与から保険料控除開始
9月21日喪失(9月20日退職)→ 9月25日の給与での保険料控除が最後
(10月25日の給与は保険料控除なし)
10月1日喪失(9月30日退職)→ 10月25日の最終給与まで保険料控除
【月末締、翌月15日支給の場合】
9月 1日加入 → 10月15日支給の給与から保険料控除開始
9月11日加入 → 10月15日支給の給与から保険料控除開始
9月21日喪失(9月20日退職)→ 9月15日の給与での保険料控除が最後
(10月15日の給与は保険料控除なし)
10月1日喪失(9月30日退職)→ 10月15日の最終給与まで保険料控除
賞与にかかる保険料は、支給の都度控除します。ただし、賞与支給月に退職する場合、月の途中での退職は、保険料を控除しなくてよいです。
退職日が月末の場合は、賞与から保険料を控除します。
2022年11月29日 15:25