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労務管理あれこれ2

残業代を削減したい

割増賃金の計算方法

割増賃金の単価は、基本給や各手当の合計金額を1ヶ月の所定労働時間で割って

計算しますが、次の手当は除いて計算して構いません。

家族手当、通勤手当、住宅手当※、別居手当、子女教育手当、

臨時に支払われた賃金、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 

ただし、住宅手当には条件があり、住宅にかかる費用に応じて金額が決まるもの

でなければ割増賃金の計算から除外できる住宅手当には該当しません。

全員一律に定額支給されるものや、扶養家族がある場合2万円、ない場合1万円

など、住宅以外の要素に応じて金額が決まるものは該当しません。

所定労働時間が8時間未満の場合の残業代

所定労働時間 9時~17時30分  1日7時間30分 (休憩1時間)

この場合、17時30分から18時までの残業代は25%増でなくても労働基準法的には

OKです。 労働基準法は労働時間が1日8時間を超えた場合の、超えた部分について

25%増と定めているからです。

例えば、時給1,000円の人であれば、17時30分~18時の残業代は500円で良く

625円である必要はありません。

ただし、就業規則が17時30分以降は25%増となっていれば、625円支払う必要があります。

遅刻時の残業代の取り扱い

所定労働時間 9時~18時 (休憩1時間)

従業員が30分遅刻して9時30分に出社

この日19時に退社した場合の残業時間は → 1時間ではなく30分でOKです。

労働基準法は、実際に労働した時間が8時間を超えた場合に、割増手当の支払が必要

となっています。つまり、遅刻して9時30分から働き始めた場合は、18時30分で労働時間

が8時間となるからです。

ただし、就業規則が18時以降は割増手当を支払うとなっていれば、遅刻してきた場合でも

18時から残業手当の支払いが必要です。

休日労働の割増賃金

土日休みの会社で、どちらか1日に休日出勤した場合に、35%増の割増賃金を支払って

いるケースが見受けられますが、労働基準法的には、どちらか1日出勤したとしても、

週1日の休みが確保されていれば35%の割増賃金を支払う必要はありません。

しかし、その労働により週の労働時間が40時間を超えた場合は、時間外労働となるため

25%増の割増賃金の支払が必要となります。

ただし、就業規則の規定によっては、例え週1日の休日が確保されていたとしても、

35%増の割増賃金の支払が必要となってしまいますのでご注意ください。

法律の定める割増率

  時間外労働   25%

  休日労働    35%

  深夜労働    25%

  時間外+深夜  50%

  休日+深夜   60%

休日労働が8時間を超えたとしても、超えた分の割増率は35%でOKです。

休日労働は時間外労働の一種であるという考え方のため、35+25=60% とする

必要はありません。

 割増率の具体例 (所定労働時間9時~18時とすると)

残業が翌日の休日の9時まで及んだ場合

    18~22時  時間外25%

    22~24時  時間外25+深夜25=50%

    24~ 5時  休日35+深夜25=60%  25+35+25=85%ではない

     5~ 9時  休日35%  25+35=60%ではない

残業が翌日の出勤時間まで及んだ場合

    18~22時  時間外25%

    22~ 5時  時間外25+深夜25=50%

     5~ 9時  時間外25%

     9~      0%  翌日の通常勤務の始まり

    勤務が2日に及んだ場合は始業時刻の属する日の労働時間とします。

    この場合、9時までは前日の労働で9時からは当日の労働となります。

休日勤務が翌日の出勤時間まで及んだ場合

     9~22時  休日35%  18時以降35+25=60%ではない

    22~24時  休日35+深夜25=60%

    24~ 5時  深夜25+時間外25=50%

     5~ 9時  時間外25%

     9~      0%  翌日の通常勤務の始まり

振替休日と代休の違い

振替休日

あらかじめ休日と定められた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすること。

就業規則に振り替えを行うことができる旨の規定があり、事前に振り替える日を特定
する
ことが振替休日を行うための要件です。

休日と労働日が入れ替わるため、休日労働手当を支払う必要はありません。

ただし、振り替えの結果、週の労働時間が40時間を超えることになった場合には、

時間外労働手当の支払が必要です。


代休

休日の振替のように、事前に振り替えることをせずに休日に労働させ、そののちに

他の労働日に休みを与えること。

休日はあくまで休日のままであるため、のちに休日を与えたからといって休日労働の

事実が消えるわけではありません。つまり、休日労働手当の支払が必要です。

※振替休日を上手く使うことで残業代を減らすことができます。

残業の事前申告制の導入

残業を行う場合、事前に上司に申請して上司が必要と認めた場合にのみ残業を行い

会社が残業代を支払う制度です。

申請のない残業や未承認の残業に対しては、当然残業代を支給しません。

上司が事前に理由をチェックすることで、無駄な残業(残業代稼ぎ)を排除します。

残業代の定額払いについてはコチラから

企業風土の改善

フレックス、変形労働、振替休日、みなし労働の活用など、仕組みである程度残業代を

減らすことも可能ですが、一番効果的なのは、企業風土の改善です。

社長や管理職自らが先頭に立ち態度で実践することで、部下も気兼ねなく退社できる空気

になります。

付き合い残業が美徳とされたのは過去の話しです。

今の若い人はそういった不満が少したまるだけで簡単に退職してしまいます。

ドライな考え方ということを理解して、会社として早く帰るよう推奨したり、ノー残業デー
を設けて例えば毎週水曜日は早くに帰るようにするなど、これからの時代は
ワークライフバランスを実践することが定着率向上に繋がるでしょう。

会社の始業・終業時刻把握義務

使用者には、従業員の始業・終業時刻を把握する義務があります。

その方法は、タイムカードである必要性はなく、出勤簿等でも構いませんが、その内容が

間違いなく事実であるかどうかの確認も随時行わなければなりません。

1日の労働時間だけでなく始業・終業時刻を記録する必要があります。

これを怠っていると、思いもよらない高額な未払い残業代を請求される可能性があります。

会社が労働時間を証明できない場合は、従業員の言い分が通ってしまうからです。
未払い残業代についてはコチラから

有給休暇の斉一的取り扱い

労働基準法では、従業員ごとの入社日を基準に有給休暇の付与を行うこととなっていますが、新卒採用が少なく中途入社が多い場合は、入社日がバラバラのため有給休暇の管理が煩雑になります。

そこで、特定の基準日を定めて、一斉に有給休暇の付与を行う斉一的取り扱いが行政通達により認められています。

斉一的取り扱い導入にあたっての検討すべき事項は

◎基準日をいつにするか

◎入社後、初回の付与をいつ、何日与えるか

斉一的取り扱いにより有給休暇を管理する場合でも、労働基準法で定められている付与日数を下回ることは違法となります。
初回の付与は、前倒しで付与しなくてはなりません。

基準日4月1日の場合

有給休暇斉一的取り扱い

その後は、社員ABCともに、毎年4月1日に12日、14日、16日と付与していきます。
ただし、管理は簡単になりますが、社員Bと社員Cでは入社時期に7ヶ月の差があるわけですが、同時期に11日付与となるという不公平感が出てしまいます。

個人別管理では、全員一律で入社から18ヵ月後に11日付与となるのですが、このケースでは、社員A 12ヶ月後、社員B 7ヶ月後、社員C 14ヶ月 になります。
この点を是正する方法としては、基準日を2回や3回設定する方法も考えられます。

 例えば、次のように基準日を3回定めます。

       入社時期        基準日
   12月1日~ 3月31日    4月1日
    4月1日~ 7月31日    8月1日
    8月1日~11月30日   12月1日 

 この方法ですと、付与日数が11日になるのは

  社員A 16ヶ月後  社員B 15ヶ月後  社員C 14ヶ月後

とほとんど差はなくなります。 ただし、基準日を多く設定すると個人別管理に近づいて

しまうため、管理が煩雑となってしまいます。

【従業員数、年間の採用人数などを考慮して、自社にあった管理方法で管理してください。

有給休暇の豆知識

定年退職者を再雇用した場合

定年退職者を嘱託等として引き続き雇用する場合は、単なる会社内における身分の切り替えであって、雇用関係は継続しているため、勤続年数は通算して有給休暇を与えなければなりません。

有給休暇の買い上げ

・有給休暇の買い上げは違法です。ただし、法律を上回る日数の有給休暇を与えている場合の、上回る日数部分については買い上げても違法ではありません。

・有給休暇は使用しないと2年で時効となり消滅してしまいますが、その消滅してしまう部分を買い上げることは違法ではありません。

・退職時に消化しきれなかった有給残日数を買い上げることは違法ではありません。

退職予定者の有給休暇取得

退職予定者が残りの有給休暇をすべて使用したいと申し出てくることがあります。
有給休暇は原則、従業員が請求した日に与えなければなりませんが、請求された日に休暇を与えることが、事業の正常な運営を妨げる場合のみ、日にちを変更して与えることができます。(いつに変更するかは、従業員が決めます。)
しかし、退職予定者については、退職予定日を超えて時季変更をすることができないため、結局希望どおりに与えるしかありません。ただし、退職にあたり業務の引継ぎ等をきちんと行うことは社会の常識ですから、本人と話し合って取得日数を減らしてもらうことや、消化できない部分を買い上げることで了解を得て、対応することは信義則上許されます。

所定労働日数が変わった場合

例えば、基準日に週所定労働日数が3日から4日に変わった場合、今年度付与される有給休暇日数は、週所定労働日数が4日の日数となります。
有給休暇の権利は、基準日に発生するので、基準日現在の週所定労働日数に応じた有給休暇を付与することになります。年度の途中で所定労働日数が変わった場合は、その時点では有給休暇日数は変わりません。次の基準日に変更となります。